ホームページ作成のことや、ホームページ制作会社について、インターネットで検索すると、
- 初期費用0円、制作費無料または激安価格
- 月額費用、5千円前後~数万円
- レンタルサーバーの契約料や利用料は、月々の料金に含まれている(毎月の支払金額が一定)
- ドメイン契約料や更新料も、月々の料金に含まれていることが多い(支払先が1つなので面倒でない)
- デザインは、豊富なデザイン見本(業種別デザイン見本もあり)の中から、好きなものを選び、さらにカスタマイズもできる
- SEOに強い(らしい)
- 一般公開後の、ページの更新(ページ追加・修正・削除)は、お客様自身が行う、または、一定の条件付きでホームページ管理会社が行う
- 電話サポート付き
- 契約期間は3年~5年で、月額料金の支払先は、ホームページ管理会社や制作会社ではなく、別のリース会社
といったといったサービスを見かけます。
ホームページリース、HPリース、HPレンタル、ウェブリースと呼ばれている契約形態です。
(契約書では、ホームページ管理システム(ソフト)のリースらしいですが、一般には、ホームページリースと呼ばれているようです。)
新たにホームページ(Webサイト)を作って公開するときの最大のネックである初期投資額を低く抑えられるということもあって、すでにこういった契約でホームページを立ち上げておられる会社も多数あるようです。
その契約で、特に不満や不安が無ければ、なんら問題はありません。当初の予定通り、そのまま契約期間満了まで続ければいいのですし、満了後に再契約することもできます。
ただ、
- 同じような他のホームページと比べて、毎月の費用が異常に高いような気がして
- 月々の支払い額の割に、サービス内容が物足りないように感じて
- 契約期間の支払い総額を計算してみたら、非常に高額なホームページだということに気が付いてしまった
- 万が一、ホームページ管理会社や制作会社が無くなったら、今のホームページはどうなるの?と不安になって
改めて、契約書を見直して途中解約について調べたり、「ホームページリース商法」「HPリース解約」「ホームページリース問題」「HPリーストラブル」といったワードで検索してみると、この契約は、一転、蟻地獄のように、身動きが取れないことに気づかされます。
参考:中小企業庁サイト
ホームページソフトなどのリース契約はしっかり考えてから!
悪質な事業者とのトラブルにならないよう注意しましょう。
実際、[サーバー移行についてのご相談]サービスにも、
解約を申し出たら、「使わないのは自由ですが、支払いは契約満了まで続きます」と言われた
とか、
突然、全業務終了(会社が無くなる)のお詫びと、契約は「○○社が引き継ぎます」(←初めて聞く会社)という連絡が届いた
といった相談がありました。
ホームページリース契約満了でも、簡単にサーバー移転できない!?
最近、[サーバー移行のための現況調査&プラン作成&お見積り]サービスをご利用のお客様で増えているのが、
今、ホームページリースを利用しているんだけど、もうすぐ契約満了なので、これを機に、他のレンタルサーバーに移転したい
というものです。
そしてほとんどのお客様は、
契約満了なんだから、簡単にサーバー移転できる
と思われているようです。
しかし、ホームページリース会社との契約書や、その会社のQ&Aを細かく調べると、契約満了で、その契約を終える(=ホームページを無くす)ことはもちろんできるのですが、
ご解約後、他のサービスへの持ち出しが可能なのは下記の3点です。
・独自ドメイン(URL)
・ホームページのコンテンツ(ページ内の文章や画像)
・オリジナルのヘッダー画像
上記以外の持ち出しはできませんので、あらかじめご了承ください。
のように、
そのまま簡単に他のサーバーへ移転することができないよう、二重三重に関所が設けられている
というケースが多いようです。(関所は目に見えないので、今まで気が付かなかっただけなのです。)
そして、さらに、このタイミングで、今のホームページリース会社、または、そのグループ会社から、こう提案されます。
もうすぐ契約満了なので、新しいサーバーに引っ越して、リニューアルしませんか?
リニューアル制作料は0円です
既存のコンテンツ(ページの中身)は、全部無料で、新しい方へ移します
そこまでやって、月々○万円だけ!(3年とか5年の契約)です
と。
無料でホームページのリニューアルができて、サーバーも新しくなって、月々の支払金額は前と同じか少しダウン!なんて魅力的な提案なのでしょう!?
そしてその提案を断ると、今度は、
せっかくのSEOが無駄になりますよ
検索したとき、トップページに表示されなくなるかもしれませんよ
と、不安を煽ることもあるようです。
ホームページリースからの脱出
HPリースという「囲い」から抜け出したいとき、どうするか?
まず、3年とか5年の契約の途中で解約できるかどうかや、解約できたとして残債はどうするとかといった、法律的なことにつきましては、弁護士に相談するしかありません。
(お客様もよくご存知で、その辺りの話は当社には来ませんが、念のため。)
身近なところで弁護士が見つからなければ、「ホームページリース弁護士」などのワードで検索すれば、この問題に詳しい弁護士も出てくるようですので、そこで相談できそうな方を見つけるのも良いかもしれません。
ただ、仮に途中解約できたとしても、契約満了で継続しないにしても、契約を終えるということは、今のホームページが無くなってしまうということですから、その前に、別のサーバーにホームページを移したり、アクセスしてくれるユーザーや検索エンジンのクローラーに、移ったことを伝えなければなりません。
(突然ホームページが無くなったら、その会社自体が無くなったと、誤解されるかもしれません。)
新しいサーバーにホームページを移行し、そのことを広く知らせて、ようやく、HPリースという囲いから抜け出せたことになります。
がんじがらめの囲いを抜け出すには、時間も手間もかかりますが、それに成功した方は一様に、開放感を伝えてくれます。
ホームページリースからの脱出オプション
ホームページリースからの脱出を、当社にご依頼いただいた場合、まず、現況調査をしながら権利関係の整理をします。
たとえば・・・
- 途中解約は可能か?可能な場合、解約条件は何か?
(一般的には、ホームページリース会社に有利になっています。) - ドメインの正式な所有者は、自社(自分)か、ホームページリース会社か?
(自社が使っているドメインにもかかわらず、公式な持ち主はホームページリース会社、ということもあります。) - ドメイン管理会社は、どこか?そこの管理画面に、ログインできるか?
(ログインできない、つまり手も足も出ないケースが多いようです。) - ドメイン管理画面にログインできない場合、ドメイン管理会社の移管は可能か?
(ホームページリース会社に依頼すれば、ほとんどの場合は可能ですが、稀にできないこともあります。また、できたとしても、手数料を請求されることもあります。) - どこのレンタルサーバーを使っているのか?
(ホームページリース会社が契約しているサーバーの一部を使っているケースがほとんどです。) - レンタルサーバーの管理画面に、ログインできるか?
(ログインできなかったり、できても機能が制限されているケースが多いようです。) - 特殊なCMS(Contents Management System:コンテンツ管理システム)を使っているのか?いないのか?
(ホームページリースでは、ホームページそのものではなく、特殊なCMSをリースで貸すという契約にしていることが多いようです。特殊なCMSを使っている場合、そのシステムをそのまま「サーバー移転」(※)することはできません。例外もありますが、ごく稀です。) - Webサイトの中で、どこまでがホームページリース会社の所有物か?どこからが自社(自分)の所有物か?
(ほとんどの権利はホームページリース会社、コンテンツのみ自社、というケースが多いようです。) - コンテンツ(文章や画像)のエクスポート機能はあるか?
(ホームページリースでは、ほとんどの場合、エクスポート機能は無いようです。。)
・・・といったことです。
そして、運よく単純な「サーバー移転」(※)ができるなら、それを行いますし、サーバー移転ができない場合は「サイトの移築」を、提案しています。
※ ホームページリース契約の場合、エクスポート機能が無く、FTPが許可されていないことが多いので、残念ながら、単純な「サーバー移転」はできないことがほとんどです。
サイトの移築
「サイトの移築」というのは、具体的には、
全ページを1つずつHTMLファイルとして取得し、必要に応じて修正して、新しいサーバーに移す
ことです。
歴史ある建物を別の場所に移す際、いったん解体してから運び、新しい場所で組み立て直すイメージです。
単純な「サーバー移転」と異なり、ページ数に比例して費用もかかってしまいますが、これから何年、何十年と、蟻地獄の中で身動きが取れない状態が続くよりは、トータルの費用は抑えられますし、気分的にも楽になると思われます。
ホームページリース契約やレンタルホームページ契約からの脱出は、状況によってその作業の内容と量が大きく異なりますで、オプション料金は、[サーバー移行のための現況調査&プラン作成&お見積り]にて、お見積りさせていただきます。